CIS薄膜太陽電池とは
銅(Cu)、インジウム(In)、セレン(Se)の3つの元素を主原料とする化合物半導体系太陽電池であり、頭文字C,I、Sを組み合わせで呼ばれている。
モジュール化
光吸収係数が大きいため薄膜化が可能であり、 2~3 μmと結晶系太陽電池に比べて、100分の1程度で製造可能
性能
長所
- 1.薄膜化により資源を有効活用可能
- 光吸収係数がシリコン系太陽電池の約100倍あり、薄膜化が可能であり、資源が少なくて済む利点がある。
- 2.暑さに強い
- 温度係数が小さいため 、高温時の出力低下が少ない
- 同じ炎天下の元に置いても熱を持ちにくく、暑い夏でも変換効率が低下しにくい
- *温度係数:素材の温まりにくさを示す数字
- 3.アニール効果で出力が向上
- 直射日光に当たることによるアニール効果で出力が一時的に向上
- 結晶系シリコン太陽電池などよりも夏場の日差しの強い時期に性能を発揮
- 4.影になっても発電量が落ちにくい構造
- モジュール上に部分的な影ができた場合の出力低下が少ない
- 影がかかった部分が発電しにくくなり、影がかかっていない部分では発電なので、設置環境の影響を受けにくい
- 結晶シリコン型の太陽電池モジュールでは、太陽電池(セル)が直列につながっているので1つの太陽電池(セル)に影がかかると太陽電池モジュール全体の電流が流れにくくなる。
- 5.製造コストが安い
- 製造工程が大量生産向きなためスケールメリットによる低価格化が可能
- 研究開発が進み、シリコンの原料価格が高騰で、市場での普及促進
短所
- 1.変換効率の低さ
- 変換効率9-14%=結晶系シリコン太陽電池と比較
- 2.有害物質の使用製品有
- 海外(研究);高効率化のためにバッファ層に人体に有毒なカドミウム(Cd)を含む硫化カドミウム(CdS)を使用
- カドミウム(Cd)を含む 製品
コスト
製造コストは安い
実装例(HP公表分)
ソーラーフロンティア(株)
- CIS薄膜太陽電池
- CIS薄膜太陽電池(災害対応型サービスステーション)
都道府県 | 設置場所 | 設置容量 /kW | 設置写真 |
徳島県 | 株式会社西淵ストレート工業 | 503.2 | 設置写真 |
高知県 | 株式会社山﨑技研 | 448.7 | 設置写真 |
山梨県 | 株式会社くろがねや | 198.6 | 設置写真 |
山梨県 | 株式会社小泉 | 412.3 | 設置写真 |
福岡県 | 信和鋼板株式会社 | 209.5 | 設置写真 |
茨城県 | 関鐵工 | 49.5 | 設置写真 |
栃木県 | 東山田 | 41.5 | 設置写真 |
神奈川県 | 日産自動車 | 39.0 | 設置写真 |
神奈川県 | 湘南ファーム | 44.00 | 設置写真 |
千葉県 | 昭和シェル石油(災害) | 4.55 | 設置写真 |
神奈川県 | 昭和シェル石油(災害) | 4.8 | 設置写真 |
富士電機(太陽電池技術)
参考文献
- ソーラーフロンティア (参照 2019.5.5)
- 富士電機 (参照 2019.5.5)
- 神奈川県 薄膜太陽電池普及拡大プロジェクト導入事例 (参照 2019.5.5)
- 太陽光発電のススメ (参照 2019.5.5)
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