鶏肉・鶏内臓の流通
鶏肉と鶏内臓は同じルートで流通。
生産性や資本の回転率がよいため、企業などの外部資本が入りやすい。
インテグレーション(統合)による流通が主流。
1.生体取引
流通経路;飼育農家→鶏肉商→消費者
1960年代までの流通
・採卵鶏の廃鶏や抜き雄(去勢雄)など「かしわ」として流通。
・鶏肉商(かしわ屋)段階;と殺・解体処理が行われて販売。
・生産/消費量は限定的。
・鶏肉価格;牛肉よりも高く、高級食肉として高評価。
2.ブロイラーの流通
鶏肉流通の特徴;牛肉や豚肉と異なり、正肉も内臓も同じルートで流通。
理由:牛や豚よりも小型で、正肉と内臓を一羽まとめて効率的に処理可能。
流通経路
・養鶏場→食鳥処理場→加工業者/小売店→消費者
鶏肉流通割合:
ブロイラー(肉用鶏);95%以上。内訳:約92%解体品
食鶏処理場に解体ライン
・鶏肉流通の合理化と技術の進歩で、鶏肉の大量生産、大量流通が可能。
流通形態
・市場外流通が一般的
以前…
・問屋制市場流通;産地問屋が消費地に集荷したものを仲卸商を通じて小売店に送る方式
・卸売市場流通 (一部);中央卸売市場に集荷されたものを消費地問屋や鶏肉商がセリによる売買を行う方式
現在…
・インテグレーションによる流通が主流
3.インテグレーション流通
〇新規参入業者…
産地でのと殺・解体処理の普及や解体品の大量流通時代の到来し、例えば、飼料を供給する飼料会社が生産・流通に参入。
〇総合商社系資本
垂直的統合(バーティカル・インテグレーション)の形で産、加工、販売の一貫体制。
〇統合流通業者;インテグレーター
生産者を雇用して、直営の巨大システム農場を経営する例。
〇 成立させる条件
鶏肉;牛肉や豚肉と比べて、飼養期間が短く、生産性が高く、資本回転率もよい企業形態による生産流通組織。
4.食鶏取引規格
国内産食鶏の流通段階の取引;種類、名称及び重量区分と品質基準の全国統一を図るための規格。
基準肉の種類
・生体、生鮮品
と体;食鶏の血を抜き羽根を除いたもの
中ぬき;と体から内臓などを除いたもの
解体品;と体や中ぬきを解体した部分肉
・凍結品
品質基準
・A級、B級の2等級
・それぞれの形態、肉づき、脂肪のつき方、鮮度など
5.食鶏小売規格
全国の小売業者が種類、名称、品質基準と表示の方法を同一にすることによって公正な競争を行い、また消費者が適切な判断をすることができることを目的に定められた規格
解体品小売品目「30品目」の形態、名称を定めている。
生鮮品の 品質基準を定めている。
・特選品と標準品の2等級
・形態、肉づき、脂肪のつき方、鮮度などで基準あり
適応条件
国内産の若どり(3か月齢未満)と親※(5か月齢以上)について適用。
肥育鶏(3か月齢以上、5か月齢未満)については定められていない。
輸入品;解凍品および輸入品の表示に限って適用。
- 肉なんでも大図鑑 (参照日:2019.2.7)
- 農林水産省(PDF)(参照日:2019.2.15)
- いらすとや (参照日:2019.2.15)
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